Short Design6/10-Closed:Pink Red History-
たった一枚の写真を今も大切に持っています。
私が行けなかった修学旅行の写真です。
ムカつくのは卓さんだけが微笑んでいることです。
マッキーはつまらなそうな顔をしているのに、クリくんは修学旅行はつまらなかったと文集で書いてくれているのに、卓さんだけは写真で微笑んでいるんです。ムカつく。
でも、卓さんが笑顔の写真は少ないから私にとっては今も変わらず宝物です。
ユウ2(♀)は私にブレスレットを買ってきてくれたこと、マッキーは知っているかしら?
ユウ1(♂)は高校で野球部に入らなかったこと、卓さんは知っているかしら?
私の実家の部屋に入ったことがあるのはクリくんだけです。
私と同じ高校に入ったのはユウ1だけです。
私とユウ2だけが女の子です。
私とマッキーは、、、あまり思い出がありませんねw
そうそう、英語のテストの返却の際「めぐみさんが一番だったんでしょ?」と言われた時あやふやに微笑んでマッキーは私が一番と勘違いしたようですが、あの時の一番は私ではありません。
卓さんの目から私がどう見えているのかなんて考える余裕、私にはありませんでした。主観的に追いかけるだけで精一杯だった。
文集を読み返しては私以上に卓さんが文集を読み返してくれていることを知ります。散りばめられたヒントは文集と私たちの思い出の中。まるで暗号です、入場制限があるかのように。
変わらない私たちがただ大人になって再会しただけでした。
変わらない私たちは相手のおかしいところを単純に「やばいな、あいつ」と顔をしかめます。
男の嫉妬なんて他愛無い、些細なことであるのと同じように、女のヒステリーなんて飯を食わせておけば治るのです。
幼かったあの頃、卓さんは私の表の顔しか知らなかったはずです。
裏の顔には、落ち込み泣き腫らすパンダがいたし、怒り狂って全てを破壊し尽くすようなピカチュウもいて、そういった裏の顔が表沙汰になった今の私を卓さんはどんなふうに見ているのかしら。
悪ふざけばかりする卓さんが昔から大好きでした。頭がおかしくて、およそ常人では受け入れられないようなことをしでかす卓さんが大好きでした。アホで、向こう水で、なんでもできちゃう卓さんが大好きでした。無鉄砲で、私が怖がっているような常識的なことを平気で超えてしまう卓さんが大好きでした。
マッキーもユウ1もクリくんもそんな卓さんが大好きだったんです、きっと。面白いやつで一緒に何かしたら絶対何かを越えさせてくれるって思っていたんです、きっと。
私は表立ってリーダー気質だけど、卓さんのカリスマ性は裏街道を爆進するような微妙にダークな色をしていたように感じます。
SSSの私以外の5名へ
黒歴史を暴きあわない協定を今日結びましょう。私たち以外の黒歴史なら暴露してかまいませんが、6人の黒歴史だけは死守しましょう。これまで頑張ってきた特権として許されるはずです。いいですね?これはフリではありません。ひとつ暴露するごとにこちらも暴露しますからね?互いのためです。
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