STARLIGHT MAP(金)

欲望

『私が間違っていたという思いを払拭したいの。あなたは女だから私の気持ちがわかるでしょう?』


私は彼女と面識がない。彼らのもとには電報が来たみたいだけれど、私は彼女と面識がないから、SNSを追うことでしか彼女の真意を掴むことができない。甘い声と細い体と大きな目が独身であるはずがないと最近では周知の事実であるが、なぜ独身だと言い張らなければならないのかは私たちなりに同情していた部分がある。事情を間が見えれば同情できるが、人生に対して同情することはできない。


総じて彼らの人生の中身に私は同情することもなければ、何か込み上げることもなかった。

女の気持ちがわからなかったとい言い方が端的な説明になるだろう。



不穏な週末に私は欲望を見た気がした。

このSNSの女が実は妻や愛人に甘んじているのではなく、その妻や愛人稼業を欺いて別の若い男性と駆け落ち結婚するつもりでいることをJerusalem'Sから聞いたからだ。これもかなり有名な話であるらしい。


玄関の前には電報の主が来ているかもしれない。私は彼女とは面識がない。


不穏な週末を迎えながら、私は彼らに向けた欲望を抑えられないでいる。体と心が別なのか、不安のために体を温めてほしいと切望するのかはわからない。


どちらにせよ、電報の主とSNSの彼女は夫婦への同情は私たちに訴えられても助けられるものではないということだ。


なぜなら、欲望を誘引した過去に私とJerusalem'Sたちは他人としても互いに抱き合ってはいなかったからだ。


歴史を辿れば原因が見出せる。たとえ混沌とした肉の塊の降下であったとしても。


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